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シダックス大量閉店、



 カラオケチェーン大手、シダックスが8月末に44店を一斉閉店することが東洋経済の取材で明らかになった。同社は今年4月から断続的に閉店を行っており、この8月末までに計52店舗を閉店する計算だ。

【一覧表】 これが閉店リストだ!

 閉店する店舗の中には、2004年に開業し、本社機能が置かれている「渋谷シダックスビレッジクラブ」(渋谷区)も含まれる。会社側によれば、本社機能はそのまま残り、空いたフロアの賃貸などを検討しているという。

■ 急な閉店で現場は混乱

 渋谷のシダックスビレッジクラブは2004年に出店。会社のウェブサイトには「本社を新宿から流行の発信地である渋谷に移転。本社だけでなく各子会社、レストランカラオケ、スペシャリティーレストラン、イベントホールが同居した、まさに本社と現場が一体化した『渋谷シダックスビレッジ』が完成した」と誇らしげに書いてある。

 あるOB社員によると、渋谷本店の閉鎖が内部向けに伝えられたのは8月に入った頃のこと。従来は9月中の閉店予定だったが、突如1カ月ほど早まったという。現在は渋谷店の1階のエレベーター横に、ひっそりと「お客様へのお知らせ」として閉店が告知されている。

 この渋谷本店についてOB社員は「年々客足が落ちている。社員の利用が多く、収益管理がどんぶり勘定になっていた」「突然の退店に加え、セールも行っており、大混乱に陥っている」と語る。

 今でこそ、カラオケ店のイメージが強いシダックスだが、元々は1959年に富士フイルムの社員食堂の請負から始まった会社だ。現在も社員食堂や病院食堂、関連の食材配送などコントラクトサービス(食堂受託運営)が売上高の大半を占める。

 同社は1991年、それまで運営していたファミレスを改装し、カラオケ店に実験参入。1993年に、現在カラオケ事業を展開するシダックス・コミュニティーを設立し、本格参入した。2004年に300店舗に達し、2007年前後にはカラオケ事業だけで売上高600億円あまり、セグメント利益率は10%前後に上り、同事業がグループ全体の利益の大半を稼いでいる状況だった。

「撤退は考えていない」

 だが、隆盛は長く続かない。「シダックスの問題は大型店が中心で、郊外に出店していたこと」と複数の関係者は指摘する。当初は高収益を生んだ大型店だが、カラオケブームの終焉に加えて、低価格のカラオケが台頭。収益管理を徹底しなければならないのに、冒頭の渋谷本店のように「どんぶり勘定で、暇な時間にも大勢のアルバイトがいた」(関係者)という事態が収益を悪化させたようだ。

 2016年3月期にカラオケ事業は売上高307億円(前期比16.7%減)、セグメント損失は21億円(前期は15億円の黒字)の赤字に転落。現在、グループに占める売上高は2割弱に過ぎない。

■ 首位ビッグエコーに水をあけられ

 カラオケ事業の低迷に直面したシダックスは、2016年3月末に同事業の資産約25億円を減損。また収益性が低下した店舗約100店を別子会社に移し、同社株式の65%を外部の取引先などに譲渡している。

 グループとしては不採算店を持分法適用会社化したことで、本体への収益インパクトを軽減しているかたちだ。

 今回、閉店の対象となっているのはこの持分法適用会社の保有する店舗で、9月末までに「累計で60店弱を閉店することになるようだ」(関係者)。グループ直轄のシダックス・コミュニティーの店舗で閉鎖したのは2店にとどまる。

 持分法適用会社の残りの40店近くについては、訪日外国人観光客(インバウンド)向けに改装し、ランチ需要などの取り込みでテコ入れをしていく方針。会社側は「大半の店舗は減損済み。持分法適用会社のため、閉鎖関連特損が出ても、シダックス本体に与える影響は限定的」とする。

 現在、業界では業務用通信カラオケシステム「DAM」を販売する第一興商グループの「ビッグエコー」が首位で、シダックスは2位クラスとされていた。今年3月末時点で269店あった店舗数は、200店前後までに目減りし、存在感低下は避けられそうにない。

 会社側は「カラオケ事業からの撤退はない」と否定する。ただ、同事業がグループ全体の足を引っ張っているのも事実。今回の大量閉店でリストラが完了する保証もない。かつてカラオケ業界の雄でもあったシダックスは、重大な転換点を迎えている。

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