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チャイナ・エコノミー



「中国に関する時事コラムを書くのは簡単ですよ。中国のニュースサイトを見れば、毎日のように驚くべきニュースがあります。ネタに困ることはありませんね。」

これは、ある中国人コラムニストの言葉だ。確かにその通り。経済に関するニュースだけを見ても、ゴーストタウン、爆発的に増加する住宅在庫、経済統計の捏造、広がる格差、貧しい農村、賃金未払いに怒った労働者の暴動……毎日のように衝撃的なニュースが流れている。

そうした負のニュースをつまみ食いすれば、何一つウソをつくことなく「中国経済は深刻な問題を抱えており、崩壊は間近だ」といったコラムを書くのはたやすい。実際、日本には「中国崩壊論」と呼ばれる書籍ジャンルが存在し、10年以上にわたり「中国経済の崩壊は間近だ」と主張し続けてきた。しかし、実際には中国経済は力強い成長を保ち続けている。

あるいは逆のベクトルで語ることも可能だ。中国企業の急成長、巨額の企業買収、モバイル決済やシェアリングエコノミーなどのニューエコノミーの隆盛、旺盛な消費、所得の上昇……などなど正のニュースもごまんとある。中国礼賛のコラムを書くこともまたたやすいが、中国経済が数々の深刻な問題を抱えていることもまた事実だ。

一つ一つのトピックが事実であったとしても、それだけで巨大な中国の実像をとらえることは難しい。「木を見て森を見ず」とはまさにこのことだろう。必要なのは中国という巨大なジャングルの見取り図だが、無数の問題群に取り組むための知の蓄積と膨大労力とが必要になる困難な作業だ。本稿で紹介する『チャイナエコノミー』(白桃書房、2018年)はこの難行に取り組み、しかも一般読者向けの平易な解説を目指した意欲作だ。

冒頭に挙げた、無数の問題点を抱えているにもかかわらず、なぜ中国経済は成長を続けるのかについて、本書は次のように明確に解き明かしている。

中国の規模が意味するのは、失業や環境悪化や社会の混乱など、どんな問題であっても想像ができないくらいに大きな規模で存在する、ということだ。しかし同時に、その問題の解決に使える資源も莫大なものがある、ということでもある。難しいのは、その資源を集めて、効果的に展開することだ。
こうした見方が照らし出すのは、毛沢東時代にも改革開放期にも見られた中国経済の特徴だ。つまり、資源を集めることに主眼が置かれるのである。その資源を利用する効率を最大化させることは、いつも二の次だ。豊かな国のエコノミストは、よくこの点に悩まされる。自国の経済成長と生活水準の向上が、ほぼすべて効率化から生まれているからだ。中国を訪問する人々はあちこちで無駄と非効率を目にし、中国はいつか危機に見舞われると予測する。だが、いまのところ、その予測は当たっていない。それは、無駄についての彼らの見方が間違っているからではない。中国ほどの規模の国では、そのような無駄もあまり大したものではない、ということを見落としているのだ

さまざまな問題があるにもかかわらず、中国はなぜ成長を続けるのかについて明確に回答している。こうした鋭い分析は長い経験に裏打ちされている。著者のアーサー・クローバーはリサーチ企業ギャブカル・ドラゴノミクスの創設者であり、『フォーリン・ポリシー』『エコノミスト』『ウォール・ストリート・ジャーナル』『ワシントン・ポスト』などに中国経済に関する記事を寄稿するベテランライターだ。2002年から中国にも住んでいるが、その経験を生かし、中国経済に関する包括的な解説というチャレンジに挑んだ。

章立ては以下の通り。

まえがき
第1章 中国の政治と経済
第2章 農業と土地と地方経済
第3章 工業と輸出経済の興隆
第4章 都市化とインフラ
第5章 企業制度
第6章 財政システムと中央・地方政府の関係
第7章 金融システム
第8章 エネルギーと環境
第9章 人口構成と労働市場
第10章 興隆する消費者経済
第11章 格差と腐敗
第12章 成長モデルを変える
第13章 中国と世界
日本語版へのあとがき
補遺 中国の経済統計は信用できるのか


目次を見ても一目瞭然だが、きわめて広範なテーマをカバーしている。ジャングルの見取り図を描こうとする壮大な試みだ。いずれも重要なトピックだが、400ページ近い本文を読み通すのが苦しいようであれば、まえがきを読んだ後に興味のある章を選んで読むことをおすすめしたい。その中でも、特に12章は中国で今、何が起きているかを描く本書の白眉だけに必読だ。

広範なトピックから中国経済の全体像を描くことが本書の第一の特徴だが、もう一つの特徴が中国の時間軸で見た時の変化だ。「改革開放以降の中国」という言われ方で1980年代以降の中国経済を概括することが多いが、40年近い高成長の間には何回かの転換点を経験している。本書は各章ごと、各トピックごとの変化を丁寧に描いている。それはたんに歴史的な興味を満足させるためではない。日本や韓国などの東アジアで先に成長した国家がそうであったように、中国が成長段階に応じた経済政策を採用していることを説明するためだ。

「中国崩壊論」では中国経済が投資偏重できわめていびつであることが強調されるが、本書ではそのいびつさは日本をモデルとし、政策的に選択されたものであると主張している。先進国の基準で中国を批判せず、「工業化を通じて豊かになった国は、先にも述べたように、「不均衡」な期間が長期間あったからこそ豊かになれた」と客観的に中国の状況を分析しているのだ。

押しつけがましい主張を抑え、きわめて客観的に中国経済を分析している本書だが、通読すれば本書の主張はきわめて明確だ。中国は現在進行形で転換している国家であり、もろもろの問題点は成長の副産物であり、かつ東アジア諸国が経験したものと共通している。多くの社会問題があることは間違いないが、それは成長のためには必要不可欠なものだった可能性が高い。この指摘を裏返すならば、中国の高成長を羨ましく思ったとしても、すでにこの成長段階を終えた日本が模倣することはできないことも示唆している。




『China’s Economy: What Everyone Needs to Know』、すなわち『中国経済:すべての人が知っておくべきこと』である。中国は世界第二の経済大国にまで成長を遂げ、海外にも積極的に投資する存在となった。日本にとってはすぐ隣に成長する巨大市場が存在し、また日本にも積極的な投資をするという意味で見逃せない存在だ。中国経済はまさに「すべての日本人が知っておくべきこと」であり、本書は格好の入り口となるだろう。翻訳調を感じさせない、平易な日本語で書かれている点も評価できる。

評者は在日中国企業の取材を続けているが、この数年、進出ペースは明らかに加速している。まもなく上司や同僚が中国人、取引先が中国企業となるのはごく当たり前の話となるだろう。

中国市場の成長にしても、対日投資の加速にしても、日本にとっては大きなチャンスだ。そのチャンスをつかむための経済的素養をいかに得るか。そのために本書は格好の一冊と言えるだろう。




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